レントゲンの被曝について
放射線とは
放射線とは電磁波などの総称です。「放射線」でイメージするのは、原子力施設の核燃料や病院のレントゲンなどかもしれませんが、自然界に存在する空気や食べもの、地面などにあらゆるものに含まれており、私たちはごくわずかな被ばくを受けながら生活をしています。
放射線の種類や量、例
私たちが受ける放射線は大きく分け、普段の暮らしのなかで受ける自然放射線と医療(診断や治療)目的で受ける人工放射線があります。(量が同じであれば、放射線の種類は関係なく、人体に与える影響はどちらも同じです。)
日常生活で自然に受ける被曝量は年間平均2.4mSV(SV:シーベルトと呼び、放射線による人体への影響を示す単位)とされています。
例 | 放射線量(ミリシーベルト:mSv) |
---|---|
日本〜ニューヨークの飛行機での旅行(往復) | 0.08〜0.11 |
自然界の食べもの (1年間の食事から受ける被曝) |
0.99 |
胸部レントゲン(1回あたり) | 0.06 |
胃のレントゲン(1回あたり) | 3.0 |
CT検査(1回あたり) | 2.4〜12.9 |
PET検査(1回あたり) | 2.0〜10.0 |
歯科CT(1回あたり) | 約0.1 |
歯科レントゲン(1回あたり) | 約0.01〜0.04 |
被曝と人体への影響
被曝量(mSv) | 影響 |
---|---|
100以下 | がんのリスクは上昇しない |
50以下 | 胎児への悪影響認めず(*) |
(*)日本産婦人科学会より。
歯科レントゲンは1回0.01〜0.04(mSv)であり、通常は問題になりません。
また歯科レントゲンの撮影範囲は歯周辺のみで、胴体部分は放射線を防ぐ鉛のエプロンを装着して撮影することから安全性が高いといわれています。
歯科でレントゲンを撮る目的
レントゲンでは詰め物や被せ物の下に隠れた虫歯、歯を支える骨、顎関節の様子など多くの情報を得ることができます。
まとめ
当院ではレントゲンを希望されない患者様に対して、無理に撮影を勧めることはございません。ただ、被曝量を最小限すべく、デジタルレントゲンの機種を導入しており、従来のレントゲンと比較し、1/5〜1/10程度で撮影が可能です。
レントゲン撮影について疑問点などございましたら、お気軽にご相談ください。
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(出典/参考資料)
・環境省ホームページ http://www.env.go.jp/
・独立行政法人 放射線医学総合研究所
・北陸電力
・社団法人東京歯科医師会
・日本歯科放射線学会 .医療放射線防護 NEWSLETTER.2004;39:86