顎関節症 Q&A
目次
- 1 Q.顎関節症とはどのような病気ですか?
- 2 Q. 顎関節症の原因は何ですか?
- 3 Q. 顎関節症は何科の病院・クリニックへ行けば良いですか?
- 4 Q. 顎関節症の治し方(治療)にはどんなものがありますか?
- 5 Q. 顎関節症はお薬で治りますか?
- 6 Q. 内服薬にはどんなものがありますか?
- 7 Q. 顎関節症は手術をすることはありますか?
- 8 Q. 顎関節症は治る病気ですか?治るのに、どのくらいの期間がかかりますか?
- 9 Q. 顎関節症は自分で治せるのですか?
- 10 Q. 痛いときは冷やすのと温めるのとどちらが良いですか?
- 11 Q. 顎関節症の場合、食事はどうすれば良いですか?
- 12 Q. 顎関節症のときに、生活で気をつけることはありますか?
- 13 Q. 子どもでも、顎関節症になることはありますか?
- 14 Q. 顎関節症で頭痛や首、肩のあたりが痛くなることはありますか?
- 15 Q. 以前、顎関節症になったことがあります。再発することはありますか?
Q.顎関節症とはどのような病気ですか?
A. 顎関節症とは、顎関節や周辺の筋肉に痛みが出たり、動きに異常をきたす病気です。
顎関節症になると、
- 顎の関節が痛い
- 顎が「シャリシャリ」、「カクカク」と音がなる
- 口が開かない・開けにくい
などの症状を伴います。
Q. 顎関節症の原因は何ですか?
A. 顎関節症の原因は一つではなく、複数の原因が積み重なって発症するといわれています。
顎に負担のかかる習慣や癖には、次のものが挙げられます。
- 歯列接触癖(Tooth Contacting Habit)
- 歯ぎしり、噛み締め、食いしばり
- 日常の動作:頬杖をつく、片側でよく噛む、猫背、うつ伏せ寝
- 吹奏楽器の演奏や合唱(発声)など
- ストレス、緊張の持続
- 体が冷える
- 顎をぶつけた経験
Q. 顎関節症は何科の病院・クリニックへ行けば良いですか?
A. 主に歯科、口腔外科で診療されることが多いです。
顎関節症は耳の前あたりや頭の側面、首、肩に症状が出る場合もあります。別の病気を併発している場合は、医科歯科連携で治療することもあります。
Q. 顎関節症の治し方(治療)にはどんなものがありますか?
A. 顎関節症の治し方には、以下のものが挙げられます。
- マウスピース
- 理学療法(低周波機器)
- 内服薬
- ストレッチやマッサージ
- 外科手術(ほとんど行われません)
なお、噛み合わせ(歯を削る)の治療や矯正治療は、顎関節症治療としては推奨されていません(「顎関節症治療の指針」日本顎関節学会による)。
Q. 顎関節症はお薬で治りますか?
A. お薬の服用と併せて、生活習慣の見直しやマウスピースなど他の方法と組み合わせることで、改善することが多いです。
Q. 内服薬にはどんなものがありますか?
A. 内服薬は以下の種類があり、顎関節症の状況によって、使い分けられます。
薬の種類 | 目的 |
---|---|
消炎鎮痛薬 |
|
筋弛緩薬 | 筋肉の緊張をほぐし、炎症を防ぎます。 |
慢性疼痛治療薬 | 長引く顎関節症の痛みを和らげます。 |
Q. 顎関節症は手術をすることはありますか?
A. 特別な場合を除き、ほとんど行われません。
外科手術は主に関節部の骨の変形や組織の癒着を認める場合に選択される場合がありますが、極めて稀な症例となります。
Q. 顎関節症は治る病気ですか?治るのに、どのくらいの期間がかかりますか?
A. 顎関節症は、一般的に症状が改善することが多い病気です。
治癒期間は数週間〜数ヶ月が多いとされ、約9割の方が1年以内に症状の改善が認められると報告されています。
3ヶ月以上にわたり、「顎が痛い」・「口が開かない」症状が続く場合には他の病気を併発している可能性もあります。
Q. 顎関節症は自分で治せるのですか?
A. 時間とともに症状が気にならなくなることはあります。一方で、骨や関節に異常をきたしていたり、骨の変形が進行する場合もあるため、「顎関節症かも…」と感じたら、早めのご相談がおすすめです。
Q. 痛いときは冷やすのと温めるのとどちらが良いですか?
A. 顎関節症は慢性的な痛みが多く、適度に温める方法がよく適用されます。
また急な強い腫れや痛みがある場合のみ、冷やした方が良いこともあります。一方で、顔や顎に痛み・腫れがあるときは別の病気の可能性もあるため、医療機関への受診した方が良いでしょう。
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Q. 顎関節症の場合、食事はどうすれば良いですか?
A. 痛みが強い場合には、顎に負担がかかりやすい硬い食べ物や厚みのある食べ物は避けましょう。
Q. 顎関節症のときに、生活で気をつけることはありますか?
A. 顎関節症を発症したときは、顎に負担がかかる動作(以下参照)や癖に気をつけましょう。
- 日中の噛み締め
- 姿勢(猫背、うつ伏せ寝)
- 重い荷物の運搬
- 歯ぎしり
- 頬杖
- 長時間のウェイトトレーニングや吹奏楽器の演奏、合唱 など
Q. 子どもでも、顎関節症になることはありますか?
A. はい、大人と比べると少ないですが、子供でも顎関節症になることがあります。
厚生労働省の調査では、小学生以下は少なく、中学生以上になると患者数は増加傾向にあります。
Q. 顎関節症で頭痛や首、肩のあたりが痛くなることはありますか?
A. 顎関節症は、顎・口を動かすときや頭を支えるときに使う筋肉に炎症が起きることがあり、頭の側面や首、肩などに痛みが出ることはあります。
Q. 以前、顎関節症になったことがあります。再発することはありますか?
A. 顎に負担がかかる良くない動作や癖を続けたり、顎の骨に異常がある場合には、再発の可能性があります。
再発予防のためには、なるべく顎に負担のかかる動作(前述)に注意することが大切です。
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