口内炎におすすめの漢方薬とは?
口内炎ができると、食べるのもしゃべるのもつらく、「早く治す薬はないの?」と感じる方も多いのではないでしょうか。
口内炎を早く治すには生活習慣の改善や栄養の摂取と併せて、漢方薬の処方が効果的なこともあります。
ここでは、口内炎に使用される漢方薬について、ご紹介致します。
口内炎に効く漢方成分は?
黄連、黄芩
黄連(おうれん)や黄芩(おうごん)は清熱作用(熱を冷まし、炎症を抑える働き)があり、炎症や痛みが強い口内炎におすすめの成分です。
茵蔯蒿湯
茵蔯蒿湯(いんちんこうとう)は、熱を冷ましたり、炎症を抑える働きのある茵蔯蒿(いんちんこう)、山梔子(さんしし)、大黄(だいおう)が含まれています。
特徴
- 強い解熱消炎作用があります。
- 炎症や痛みの強い口内炎に適しています。
- 冷え性や胃腸が弱い人、虚弱な人には不向きです。
半夏瀉心湯
半夏瀉心湯(はんげしゃしんとう)は黄連と黄芩を含み、熱を冷まし、炎症を和らげる働きがあります。
特徴
- 再発を繰り返す口内炎やなかなか治らない口内炎に使われます。
- 抗がん剤や放射線による口内炎への効果も報告されています。
黄連湯
黄連湯(おうれんとう)は半夏瀉心湯と成分が似ている一方で、黄芩を含まずに桂皮を含み、体を温める働きがあります。
特徴
- 胃腸の冷え、冷えによる胃痛を伴う人に使用されます。
- 半夏瀉心湯と同様、身体のバランスを調和する和解剤として使われます。
平胃酸
平胃酸(へいいさん)は上記3種類のような強い消炎作用はありませんが、消化器の機能を助けます。消化器系の不調からくる口内炎の改善に、使用されます。
また気の巡りを良くする作用(理気作用)もあり、気分を晴れやかにします。
特徴
平胃酸は以下のときに、よく使用されます。
- ストレスからの食欲不振、消化不良がある場合
- ストレスによる抑うつ、不安の場合
- 胃もたれ、お腹が張った感覚がある
食欲不振、体力低下を伴う口内炎
食欲不振や病後の体力の低下がある場合は、補中益湯や十全大補湯を使用することがあります。
補中益湯や十全大補湯は人参や黄耆(おうぎ)を含み、強壮作用や抗菌作用、抗ウイルス作用、免疫活性亢進作用などをあります。
漢方薬の選び方
同じ種類の口内炎であっても、個人の体の状態によって、最適な漢方薬は異なります。漢方薬を希望する場合は、担当医と相談しながら決めると良いでしょう。
まとめ
口内炎の漢方薬治療は西洋薬と異なり、全身の健康状態を診て、相談しながら進めていきます。当院では薬剤師も在籍しております。口内炎が治らない、西洋薬が合わないなどお困りなことがございましたら、お気軽にご相談ください。
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