顎関節症の治し方
マッサージやストレッチ、理学療法について
「顎が痛い」、「口が開かない」、「顎を動かすとシャリシャリ、カクカクと音がなる」といった顎関節症でお悩みの方は少なくありません。
顎関節症を治す方法の一つが理学療法(低周波治療やマッサージ、ストレッチなど)で、筋肉の緊張をほぐしたり、顎の痛みを和らげて、顎の動きを回復させる目的があります。
ここでは、顎関節症のための理学療法について、ご紹介致します。
目次
理学療法
理学療法とは、
- 低周波治療機器
- マッサージ
- ストレッチ(運動療法)
- 温熱
などの方法を用いる治療方法です。
理学療法には顎の痛みを和らげたり、筋肉の緊張をほぐしたり、血行を改善させて、顎の動きを回復させる目的があります。
低周波治療
低周波治療は患部に低周波(とても弱い電気)を当てて、顎関節や周辺の筋肉の緊張をほぐして、痛みを和らげる治療です。
また低周波治療は痛みを伴わず、保険適用であるため、安心してご利用いただけるのが特徴です。
低周波治療の効果
- 筋肉の緊張をほぐす
- 痛みを和らげる
- 筋肉のバランスを調整する
- 傷ついた組織の修復を早め、治癒を促進する
マッサージ
顎関節症のマッサージは、特に顎や周辺の筋肉が痛いときにおすすめの理学療法で、血流や痛みの改善、顎の動きを治す目的があります。
- 頬や顎、頭の横などの筋肉に手指を優しく添えて、円を描くようにゆっくりとマッサージします。
- 朝晩5〜10分程度、行いましょう。
温めるのも効果的
筋肉を適度に温めると血流が良くなり、筋肉の緊張や痛みを緩和させる効果が期待できます。入浴中にマッサージしたり、蒸しタオルで温めてマッサージをするのも良いでしょう。
冷やすのは?
顎の痛みや炎症が強く、何もしなくてもズキズキ痛む・熱を持っている場合には冷やすと痛みが和らぐことがあります。
- 氷水をビニール袋に包んだものや保冷剤をタオルに巻いて、10分を限度に冷やします。
- 冷やしすぎると血行が悪くなるので、注意しましょう。
ストレッチ(運動療法)
顎関節症のストレッチは顎の痛みがある程度和らいできたら、顎を動かして筋肉を優しく伸ばすように行いましょう。筋肉を適度に伸ばすことで痛みを和らげ、顎の動きを回復させる目的があります。
安静にする?ストレッチする?
顎が痛いときはまず炎症を落ち着かせるため、安静にすることが第一です。
ただし、長期間安静にし続けると顎の動きが悪くなることがあるため、痛みが和らいできたらストレッチ(運動療法)を少しずつ始めるのが良いといわれています。
ストレッチ方法
痛みが落ち着いたら、無理のない範囲で以下のストレッチを始めましょう。
- 口をゆっくりと開けられる範囲まで開け、十分口を開けた位置で10秒程度保ち、筋肉を伸ばします。
- 10秒経過したら、ゆっくりと口を閉じて元に戻します。
- 朝晩5〜10回繰り返しましょう。
- 入浴中に筋肉を温めながら行うのもおすすめです。
*痛みが強くなる場合にはいったん中止し、痛みが落ち着いてから歯医者さんと相談しながら行いましょう。
顎を動かすと音がなる
顎を動かすとシャリシャリ、カクカクと音が鳴る場合、安静にし続けて顎を動かさないと、関節の動きが悪くなったまま固まってしまうことがあります。
「痛みがないけど、顎を動かすと音がなる」場合は、担当医と相談しながら進めましょう。
まとめ
理学療法は顎関節症を治すのに有効な治療方法の一つです。低周波治療やマッサージ、ストレッチと併せて、顎に負担がかかる動作(歯ぎしりや噛み締め、食いしばり/姿勢など)の改善に取り組むことが大切です。
顎関節症の治し方などについて、ご不明な点等ございましたら、お気軽にご相談ください。
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*本記事は「顎関節症治療の指針(日本顎関節症学会)」に基づいた内容です。