歯を削らない・神経を抜かない虫歯治療
3Mix療法とは?危険性は?
3Mix療法は、なるべく歯を削らない•歯の神経を抜かない虫歯治療です。3種類の抗生物質(抗菌薬)を含むお薬を虫歯に塗り、虫歯菌を殺菌します。
3Mix療法は神経ギリギリの深い虫歯を無菌化して、なるべく歯の神経を温存をすることを目的としています。
ここでは、3Mix法の治療・費用(料金)、失敗・成功を分ける虫歯の状況、メリット・デメリットなどについて、紹介致します。
目次
3Mixとは
3Mixとは、3種類の抗生物質を配合した塗り薬で、虫歯菌を殺菌する効果があります。
なぜ3種類?
虫歯菌はたくさんの種類の細菌の集まりであり、十分に殺菌するには3種類の抗生物質の組み合わせが有効と報告されています。
成分
3Mixは、以下の3種類の抗生物質を含みます。
- メトロニダゾール(3Mixの主成分)
- シプロフロキサシン
- セファクロル
☟下の表は、縦横に移動(スクロール)できます。
お薬 | 特徴 |
---|---|
メトロニダゾール |
|
シプロフロキサシン |
|
セファクロル |
3Mix法は危険?
3Mix法は、通常の使用方法で副作用などを起こすことはありません。
使用量はごく少量
3Mix法で使うお薬はごくわずかで、抗生物質の飲み薬の1/10〜1/100程度です。通常の使用で危険を伴うことはありません。
アレルギーの報告なし
3Mix法は、歯の中にお薬を入れた後に詰め物や被せ物で密封します。
通常、3Mixが漏れ出すことはなく、また水と触れるとお薬の効力が消失することやごく微量の使用量であるため、現在アレルギーの報告はありません。
しかし、3Mixに含まれるお薬にアレルギーがある場合には、別の治療方法を選択する方が良いでしょう。
メリット
- 歯を削る量や痛みを最小限に抑えられます(なるべく歯を削らない)。
- 歯の神経を抜くリスクを減らせます(なるべく歯の神経を抜かない)。
デメリット
- すべての虫歯や歯痛に有効なわけではありません。
- 虫歯の状況によっては、数ヶ月〜1年程度の定期的な確認・健診が推奨されます。
ドックベストセメント治療との比較
☟下の表は、縦横に移動(スクロール)できます。
3Mix療法 | ドックベストセメント | カリソルブ | |
---|---|---|---|
成分 | 3種類の抗生物質
|
銅などのミネラル成分 |
|
方法 | 3種類の抗生物質で虫歯菌を殺菌する。 | ミネラル成分で虫歯菌を殺菌する。 | 虫歯を溶かして、すくい取る。 |
虫歯治療以外の使用用途 |
|
|
歯周病治療(ペリソルブ) |
歯を削る量 | 従来の治療(歯を削る)と比べ、最小限に抑えられる。 | ||
痛み | |||
治療回数 | |||
歴史 | 1980年後半に新潟大学で研究開発 | 2002年にアメリカで製品化 | 1998年にスウェーデンで開発 |
厚生労働省の承認 | 未承認 |
*虫歯の部位や大きさなどによって、選択頂ける治療の種類が異なることがあります。担当医とご相談ください。なお、3Mixに使われる各薬剤については、厚生労働省の認可が得られています。
治療方法
- 虫歯を洗浄後、専用器具で除去します。
- 虫歯の深い部分に、3Mixを塗布します。
- 最後に、詰め物や被せ物をして治療完了です。
虫歯を洗浄、除去
虫歯の穴を洗浄後、専用器具で虫歯を除去します。神経とすれすれの虫歯部分はあえて残します。
3Mixの塗布
神経と近い、深い虫歯部分に3Mixを塗布し、虫歯菌を殺菌します。
詰め物や被せ物で密封
3Mixの失敗(無効)・成功を分ける虫歯の状況
3Mixはすべての虫歯で有効なわけではなく、虫歯の進行状況によって成功率は大きく異なります。
成功率を高めるには?
- 定期健診
- 虫歯を放置しない
虫歯が進行して深くなると、虫歯菌が神経へ侵入し、神経が死んでしまうリスクが高まります。
成功率を高めるためには、定期健診を受け、虫歯を放置せずに早い段階で治療をすることが大切です。
歯の根の殺菌
すでに神経が壊死している状況では、歯の根の治療時に3Mixを使用することも可能です。
なるべく歯を削らずに、深い虫歯を殺菌する目的で使用します。
治療費用(料金)
3Mix療法を使う虫歯治療の場合、初診料(再診料)・検査費用等はかかりますが、保険適用の虫歯治療費用とほぼ同額で、高額な治療費用にはなりませんので、ご安心ください。
施術 | 治療費用 |
---|---|
3Mix療法 | 1歯約2,000〜3,500円 |
*治療回数は歯の状況によって異なります。また、詰め物や被せ物の費用は別途発生しますが、ご自分に合った種類(白いプラスチックや銀歯、セラミックスなど)をお選び頂けます。治療費用について、ご不明な点等ございましたら、お気軽にご相談ください。
3Mix法の歴史
「3Mix法」は1980年後半に、新潟大学カリオロジー研究グループの岩久正明先生ら(新潟大学名誉教授)により発表された虫歯治療です。
3Mix療法の治療効果は複数の論文で報告されている他、教科書(*)にも掲載されています。
(*)「保存修復学 21、第3版、監修:田上順次、千田彰、奈良陽一郎、桃井保子、永末書店 2006」
まとめ
3Mix療法は、なるべく歯を削らない・神経を抜かないことが大きな特徴で、虫歯治療への恐怖心が強い方にとって心理的な負担が少ない利点もあります。
一方で、虫歯は早い段階で治療するほど、痛みが少なく、神経も温存しやすいので、定期健診を受けることが大切です。また虫歯予防には定期的なクリーニングやフッ素塗布もおすすめです。
3Mix療法を含め、なるべく削らない虫歯治療をお探しの方、虫歯治療でお悩みの方はお気軽にご相談ください。
*本治療は希望の申し出のある患者様に限り、行っております。
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3Mixについては日本国内において厚生労働省、未承認の材料です。国内において同一材料の類似品はございません。副作用(リスク):特に虫歯が大きい場合には、痛み(冷水痛・咬合痛など)が生じることがあります。本治療をご希望の場合には担当医と相談をして下さい。